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セールスコピーライター・マーケター 郡司拓也のブログ

デジタルマーケティング

バンドワゴン効果の意味とは?集団帰属欲を刺激して購買意欲を高める方法

更新日:

バンドワゴン効果で集団帰属欲をゴリゴリ刺激する販売戦術

こんな経験はありませんか?

  • なんだか最近、とある商品が流行っているらしい。どうやら、友達もみんな持っているし、同僚でも持っている人が増えてきた。気になる…なぜか自分も買わないといけない気がしてきた…
  • 自分はAというお店の方が美味しいというけど、みんなBというお店の方が美味しいと言う。なぜか不安になってきた…
  • Aという商品と、Bという商品。どちらもステキだけど、Aという商品の方がよく買われているらしい。じゃあ、Aの方がいいのかな…

こんな風に感じるのは、バンドワゴン効果という心理的な効果が作用しているからです。

今回はコピーライティング・マーケティングの名著「現代広告の心理技術101」中で紹介されているバンドワゴン効果について解説します。

バンドワゴン効果を使うとものが売れる理由

マーケティングやコピーライティングにおいて、特に重要なバンドワゴン効果。そもそもバンドワゴン効果とはどんな意味なのでしょうか?

それは、「多くの人に選ばれたものは、さらに人に選ばれやすくなる」という心理的な効果のことです。

なぜ、バンドワゴン効果が発生するのでしょうか?また、バンドワゴン効果が理解できると、どんなメリットがあるのでしょうか?

これが理解できれば、あなたは強力なマーケティングテクニックを手に入れたことになります。

集団への帰属欲求がバンドワゴン効果をもたらす

人は「なにかしらの集団に所属していたい」という集団への帰属欲があります。あなたも、ひとりぼっちにされると不安になるでしょうし、自分の価値観や趣味を理解してくれる人がいない状況はストレスになるのではないでしょうか。

なぜこんな欲求があるのでしょうか。

それと言うのも、大昔まで遡ると、大きく有力な集団に所属していた方が、「生き残りやすかった」&「子孫を残しやすかった」からです。

猛獣がうろついている原始的な生活の中では、一人でいたら、たちまち猛獣にやられてしまいます。だから人は共同体を作って、生き残りやすいようにしました。

集団に所属すると生存率が高かったのですね。生存率が高ければそもそも子孫を残すチャンスが増えます。

また、集団同士の衝突もあったでしょう。力が弱い小さな集団は、力の強い大きな集団に殺されてしまう危険性が高かったでしょうし、物資や食料も乏しかったでしょう。

だから、人は「なるべく大きな集団に所属したい」という欲求を持つようになりました。この大きな集団への帰属欲が、バンドワゴン効果を発生させるのです。

バンドワゴン効果は人の感情にダイレクトに訴える

人は好ましい集団に所属できないでいると、ストレスを感じます。このストレスを解消するために、人は好ましい集団に所属できるように行動します。

「たくさんの人が持っているのに、自分は持っていない。」そんな状況が人を行動させるのです。だからこそ、多くの人が選択しているものを、人は求めます。これこそがバンドワゴン効果です。

このバンドワゴン効果の凄いところは、生物の根本的な欲求に働きかけるので「抵抗しにくい」というところです。どんなに理性的な人でも、集団への帰属欲求を感じることを防げません。

人は物を買うときに、感情的な部分と理性的な部分の両方で購入を検討します。

感情的な部分が「周辺経路」、理性的な部分が「中心経路」として、現代広告の心理技術101では紹介されています。バンドワゴン効果は、主に周辺経路に訴えかけ、感情的に購買意欲を刺激することができるのです。

人はバンドワゴン効果で常に売り込まれている

あなたにもこんな経験はありませんか?

  • 小学生のころ、クラスで流行っているゲームやおもちゃの話を聞いて、それが欲しいと思ったことはありませんか?
  • スポーツに関して、あなたの憧れの先輩やプロが使っている道具や靴などが欲しくなった経験はありませんか?
  • 容姿が優れている女性グループが使っている化粧品を自分も使いたくなった経験は?
  • 就活生が選ぶ人気企業に就職したくなった経験はないですか?

これらは、バンドワゴン効果が働いているからです。「そっちのコミュニティの方が自分にとっていいことがありそう」と思うから、そのコミュニティが使っている商品やサービスが自分も使いたくなるのです。

つまり、「これを買えば、あなたはあの憧れの人たちに近づくことができますよ」と伝えれば、バンドワゴン効果を生じさせ商品を売り込むことができます。

「3種類の集団」を理解して帰属欲を刺激する

さて、バンドワゴン効果が何かがわかったところで、それを使いこなすための方法について解説していきましょう。

人間が構成する集団は3種類に分けられます。

  1. 憧れの集団ーあなたが属したいと思う集団
  2. 連帯する集団ーあなたと考えや価値観をともにする集団
  3. 関係を断つ集団ーあなたが属したくない集団

商品を売り込みたいのであれば、あなたはこのどれか、または全てに商品を絡めて売り込めばいいのです。それぞれの集団について説明します。

あこがれの集団

これが一番わかりやすいですね。女性であればキレイな女性芸能人やバリバリ活躍するキャリアウーマンなど。男性であれば財力がある経営者や、活躍しているスポーツ選手とか、おしゃれなイケメンとか。

人によって憧れる対象は違うのですが、「あこがれに近づきたい」という欲求自体は一緒です。「この商品を使えば憧れの集団に近づけます、所属できますよ」と訴えかければお客の購買意欲を高めることができます。

化粧品を売りたければ「これを使えばこのモデルみたいに綺麗になれます」と訴えかければいいし、バスケットシューズを売りたければ「あのプロみたいになれます」と訴えかければいいのです。

*上のをそのまま書くと広告に関する法律に引っかかります笑。大事なのは「そう思わせる」ことです。

連帯する集団

これは、家族とか職場とかサークルとか、今所属している集団のことですね。人は今いる集団からはじき出されるのを恐れています。今いる集団を維持しようとします。

「仕事辞めたい…」と思ってもなかなか辞められないのは、この心理が働くからです。連帯する集団からつまはじきにされるのを恐れるから、人はルールを守り集団を維持しようとします。

これを利用して、なにかを売り込むとすれば、「今の集団からつまはじき者にされるのを防げます」というのがわかりやすいですね。

  • 家族とうまくいかない人のためにコミュニケーション講座を売り込む
  • ママ友との会話についていきたい人に雑誌を売り込む
  • 同級生との話題作りをしたい人のためにインスタ映えを意識したお店を宣伝する

などといった方法が考えられます。

関係を断つ集団

人には所属したくない集団があります。

若い人が老人の集まりに行っても苦痛です。逆に、中年の女性が18歳の男女のグループに混じるのも苦痛です。

もし、「中国人マフィアに所属できるチャンスがあるんですが…」と言われても嫌ですよね。また、「これでデブの仲間入りやな!」」と言われたらムカつきます。

人は価値観が合わない集団や、所属したくない集団とは距離を置いておきたいのです。ですから、商品を宣伝する際には、「関係を断つ集団と距離を置けます」と宣伝することになります。

たとえば、年収が低い集団から抜け出すために資格講座を売り込んだり、ダサい人(集団)とみなされないようにファッションを売り込んだりします。

バンドワゴン効果を使ったコピーの作り方

さて、「バンドワゴン効果とは何か?」がわかったところで、「それをどう使うか?」を解説したいと思います。

キャッチコピーで使えるバンドワゴン効果

バンドワゴン効果を狙ったキャンチコピーの例が現代広告の心理技術101中でいくつか紹介されているので、ここで紹介します。

*ウォルグリーンズ「アメリカが信頼する薬局」
*ジフ・ピーナッツバター「好みのうるさいママはジフを選ぶ」(あなたも好みのうるさい親になりたくないだろうか)
*ユーセリン「皮膚科医が薦める乾燥肌のためのナンバーワン。ブランド」
*英国航空「世界が好きなエアライン」
*グレイシャル・ウォーター「自販機で買えるナンバーワン・ブランド」
*ミスター・ヒーター「アメリカ一人気のポータブル・ヒーター・ブランド」
*キャメルズ「他のどんなタバコよりもキャメルを吸うお医者さんが増えている」(いいのか?)
*リンソ「もっときれいに洗いたい人は他にいますか?しかも苦労しないで?」

■2018年 ダイレクト出版(株) ドルー・エリック・ホイットマン 『現代広告の心理技術101』65Pより引用

4ステップでバンドワゴン効果の効いたコピーを作る

上のようなキャッチコピーに限らず、ボディコピーも含め、バンドワゴン効果を狙ったコピーの書き方を考えてみましょう。ステップで書きます。

  1. ターゲットを明確にする
  2. ターゲットの「憧れの集団」「連帯する集団」「関係を断つ集団」を明らかにする
  3. どの集団に絡めて宣伝すべきかを決める
  4. 決めた集団に絡めて帰属欲を煽る

この4ステップでバンドワゴン効果を使いこなすことができます。

現代広告の心理技術101中ではステップで書かれているわけではありませんが、わかりやすくするために4ステップで書かせていただきました。

ターゲットについてまずは考える

例えば、ダイエット用の健康食品を売り込む場合を考えてみましょう。

ダイエット食品といっても、いろいろなターゲットが考えられます。ターゲットは、年齢、階級、性別、地理、政治、教育などといったカテゴリーで分類すると明確になります。

ここでは、40歳の中流階級の女性ターゲットにしてみましょう。

すると、憧れの集団は、「中年にさしかかってもスリムで美しい姿をキープしている女性芸能人」あたりだと想定できます。連帯する集団としては、「家族、パート先、ママ友グループ」でしょう。関係を断つ集団としては、「ブクブクと太ってみにくい姿になった中年女性」あたりですね。

この場合は、連帯する集団ではちょっと訴求が弱くなりそうなので、「憧れの集団」と「関係を断つ集団」に絡めて訴求してみましょう。

以上を意識してコピーを書いてみましょう。

実際に書いてみる

以下が私が書いてみたコピーです。
集団帰属欲をどう煽っているか意識しながら読んでみてください。

40歳にさしかかってから体重が落ちにくくなったと思いませんか?
「前はちょっと食べ過ぎても運動すればもどったのに…これまでつかなかったところにまで肉が付いてきたわ…」
あなたと同じように、40歳にさしかかった方は、みなさん同じ悩みを持っています。
これは年齢とともに代謝が落ちて、ホルモンバランスが変化するのが原因です。
年齢を重ねれば太りやすくなるのは仕方がありません。
あなたも現状を放置すれば、だんだんと理想の体型から遠ざかり、昔のようなプロポーションを保てなくなります。(関係を断ちたい集団)
いくら運動しても現状維持が精一杯。そうして次第にダイエットを諦め、体型が崩れて行くのを受け入れる方が大半です。(関係を断ちたい集団)
しかし、逆に、現在テレビで活躍する女優の〇〇さんのように、昔と変わらぬ体型を維持している方もいらっしゃいます。(憧れの集団)
彼女らは単に努力をしているから体型が保てているのでしょうか?
いいえ、違います。女優業が忙しいのに、単純に運動量を増やすことができると思いますか?
40歳からのダイエットは、若い頃とは基本戦略が異なります。
単純に運動すればいい時代は終わったのです。
忙しい毎日の中でも、運動を増やすことなくキレイな体型を維持するにはちょっとしたコツがあります。
あの女優〇〇さんも、このコツを心得ているからこそ、体型がキープできるのです。(憧れの集団)
あなたは、そのようなコツを知らずに実年齢相応に体が変化して行くのを受け入れる(関係を断ちたい集団)のと、ちょっとしたコツを知るだけで理想の体型を手に入れる(憧れの集団)のでは、どちらの方がいいでしょうか?
ここから先は「理想の体型を手に入れたい」と心から思えるだけに読んでいただきたいのですが…

こんな感じになります。
ちょっと薬機法ひっかかるか際どいですが…笑

「バンドワゴン効果」という言葉を使うとなんだか難しく感じますが、要は「これを買えば理想に近づけますよ。なりたくない姿を回避できますよ。」と言えばいいのです。

バンドワゴン効果で人の無防備な部分に売り込もう

今回、バンドワゴン効果を実例を踏まえて紹介させていただきました。上でも言いましたが、このバンドワゴン効果は感情やイメージに訴えかけるため、非常に強力な手法です。基本的にどんな商品でも使えます。

街中の広告を、「どのようにバンドワゴン効果を狙って作られているか」という意識を持って眺めてみるとあなたのコピー力が上がりますよ。

強力なテクニックですので是非とも習得をお勧めします。

ちゃんと本書を読んで理解を深めたい方はこちらから購入可能です。

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