精緻化見込みモデルとは?あなたの商品の正しい売り込み方がわかるノウハウをご紹介
教えていただきたいのですが…
あなたは「家や時計などの効果なものを買うとき」と、「弁当やシャンプーなどの安いものを買うとき」に、同じテンションで買い物をしますでしょうか?
おそらく、全く違うことを考えて買い物をするのではないでしょうか?
弁当を買う際には、「美味しそう!今日の晩御飯はこれで決まり(まぁまずくても500円だし…)」と思って買うことがあるでしょうが、
家を買うときに「ステキ!クレジットカードでちょっと買っちゃおうかしら。失敗しても5,000万円だし。」と考えませんよね。「ちょっと特売だから会社帰りに『家やマンション』を買っておくか」という人はいないということです。
消耗品や安いものを買うときには、その場のノリで買うことがあるでしょうが、重要な買い物、値段の高いものを買うときには慎重に検討しますよね。
このように、人間がものを買うかどうか考えるときには、2パターンの思考経路(ルート)が存在します。この2パターンの経路がわかるようになると、「お客はどのように考えて行動にいたるのか?」「何が購入の妨げになるのか?」がわかるようになります。そうすると、あなたは自ずと簡単に商品を売れるようになります。
では、その2パターンの経路とは一体なんでしょうか?
それを簡単に説明してくれているのが、「精緻化見込みモデル」です。
名著マーケティング・コピーライティングの名著「現代広告の心理技術101」中で紹介されている、「精緻化見込みモデル(Elaboration Likelihodd Model=ELM)」について解説します。
中心経路と周辺経路−人がものを買う時の2つの道のり
精緻化見込みモデルとは、ものを買う際には、以下の2つのルート(買わせるルート)をたどってお客は購入に至るという考え方です。
*中心経路ー論理、論証、深い思考を用いた説得
*周辺経路ー楽しいこと、前向きなイメージ、「手がかり」などに結びつけて行う説得。■2018年 ダイレクト出版(株) ドルー・エリック・ホイットマン 『現代広告の心理技術101』86Pより引用
例を出せば、家、保険、車や学習塾など「慎重に買うもの」が「中心経路」を通る買い物。食べ物、化粧品、レジャーやファッションなど「ノリや感覚で買うもの」が「周辺経路」を通る買い物です。
「私は両方使ってる気がするんだけど…」と思った方は鋭い。
ものを買う際には、中心経路と周辺経路の両方で考えることが普通です。ですが、ものによってそのバランスが異なるということです。
納豆や牛乳を買うのに慎重に検討しないですが、一応値段とか賞味期限は見ますよね。納豆や牛乳などを買うときには、パッケージ、会社イメージなどパッと見で判断するので、周辺系経路をメインで使って判断していますが、値段とか賞味期限なども見るので中心経路も一応少しは使うということです。
逆に、子供を学習塾に行かせるとして、広告のイメージとか広告のタレントとかは見ると思いますが、実績とかカリキュラムとか講師陣とかの方を注意深く見ますよね。
精緻化見込みモデルを使った売り込み方
さて、ここで考えてみましょう。ものを買うときに中心経路と周辺経路を通るということがわかりましたが、「あなたがものを売るときには」どうしたらいいでしょうか?
あなたの商品は、中心経路と周辺経路のどちらを通りますか?
まず、「この商品は中心経路と周辺経路のどちらを通るように売り込んだらいいか?」と考えるのが出発点です。商品によってアプローチは全く異なります。
保険や家や自動車などの高価で慎重になる買い物は中心経路に売り込み、食品やレジャーやファッションなどの比較的安価で感覚的な買い物は周辺経路に売り込めばいいというわけです。
2つの経路に適した売り込み手段
では、実際どう売り込めばいいか?
中心経路は、理性的でじっくり考えた場合の経路です。中心経路の場合であれば、
事実、統計、証拠、証言、調査、報告、事例を大量に集める。あなたのもっとも説得力あるセールストークにこれらを盛り込む。
■2018年 ダイレクト出版(株) ドルー・エリック・ホイットマン 『現代広告の心理技術101』88Pより引用
周辺経路の場合であれば、直感的でイメージにかたよった経路なので、
カラフルで楽しいイメージ、ユーモラスなテーマや人気のテーマ、セレブの後援などがたくさん盛り込まれた広告にする。
■2018年 ダイレクト出版(株) ドルー・エリック・ホイットマン 『現代広告の心理技術101』88Pより引用
ということです。
周辺経路にはない、中心経路の特徴
「中心経路と周辺経路どっちの方が強いんですか?」
こんな風に思う人もいるかと思います。適材適所なのでどっちが強いということはないのですが、実は、中心経路には、周辺経路にはない特徴があります。
それは…「一度中心経路を通った決断は変えにくい」ということです。
中心経路を通った決断は、慎重に考え抜かれて、心の中で繰り返されたものです。心の中で繰り返されるほど、「自分の中ではその判断は正しい」ものになります。
中心経路を通った決断が否定されると、自分が否定されたように感じるほどです。つまり、中心経路を通った買い物は、自分の自我(エゴ)と結びついているというわけです。
話がちょっと難しくなりましたので、例をあげましょう。
あなたが慎重に考え抜いて、新築の一戸建ての家を千葉に買ったとしましょう。そして知人に家を買ったと報告したとしましょう。
「今時ローンで家を買うとかwwwしかも千葉www」
と言われたら、かなりイラっとくると思います。下手すれば殴り合いの喧嘩になりますね。
中心経路を通った買い物は、自分の心の奥底で大切なものになるのです。変化を嫌うようになります。
例えば、ずっとガラケー使っているご年配の方があなたの周りにもいると思います。
でも、実際スマホ使った方が便利ですよね。でも変えないんです。もう「ガラケーを使った方がいい」と中心経路で一人で頭の中で繰り返しているから。
また、「ちゃんとした学校に出た方が将来安泰。」という考えも、中心経路を通って導き出された考えなので、なかなか変えられません。
買い物に限らず、宗教、政治、教育などと言った抽象的なものごとにおいてもそうです。政治について議論すると、下手したら喧嘩になりますよね。あれも中心経路をたどって決定されているからです。
これだけ頑固な中心経路。もし、お客の中心経路をうまくだますことが可能だとしたら、商品を売ることが簡単になると思いませんか?では、早速、お客の中心経路を味方につけて商品を売り込む方法をあなたにお伝えします。
お客の中心経路を味方につけるものの売り方
「中心経路を通った決断は変えにくい」この特徴を理解すれば、あなたはお客の中心経路を味方につけて、商品を売り込むことが可能になります。
価値観に同調して売る
相手にものを売り込む際には、相手の考えを変えようとしてはいけません。相手の価値観を正面から攻撃してはいけません。同調する方が簡単です。
どういう意味かわからない??そうですね、例をあげて説明しましょう。
軽自動車がベストな選択と思っている人に、普通車を売り込む場合を考えてみましょう。軽自動車を買った人は、経済性を求めて購入している場合がほとんどだと思います。
そこで、「車に経済性なんて求めるなんて間違っています。乗り心地や高級感のあるデザインを重視すべき(つまり軽を買う奴はバカ)」と軽自動車ユーザーに言ったところでどうなるでしょうか。
モロに正面から相手の価値観を変えようとしているので、きっと大抵の場合、「何やこいつ」と思われて終わりではないでしょうか。
じゃあどうすればいいか。
相手の価値観は変えずに同調しつつ他の選択肢を示すのです。
はい、抽象的でわかりにくいですね。すいません。ですから例文を考えました。
中心経路を利用した売り込み例
軽自動車ユーザーに、低価格帯普通車を勧める場合の例を私が考えてみました。
軽自動車ユーザーのあなたにお知らせです。「車はコスト重視!」なあなたに、コストはそのままで、『乗り心地』『安全性』に優れた車に乗り換えるご提案があるのですが…
「自動車は必要だけど、とにかくコストがかかる。だからなるべく安いものを」
今のお車を購入された時、こんな風に考えてお車探しをされたのではないでしょうか。確かに、車は生活必需品です。なるべくコストを抑えるのは当然だと思います。
軽自動車を選んだあなたは、コストを抑えるという点でとても賢い買い物をしたと思います。
そんなコスト重視のあなたに、今回お伝えしたいのが、「ランニングコスト」という考え方です。このランニングコストについてしっかり検討しなければ、かえって高い買い物をしてしまうかもしれません。
軽自動車は、コストが低い反面、耐久性が低いという弱点があります。また、車内の騒音や振動の吸収に関しても普通車に比べると劣ります。このデータを見てください。
軽自動車の耐用年数は○年ですが、普通車の耐用年数は○年です。これは、軽自動車の方が事故や劣化に弱いからです。あなたも事故でめちゃくちゃになった軽自動車を見たことがあるのではないでしょうか。
また、こんなデータがあります。振動に長く晒されるほど、腰痛やヘルニアなどの慢性症状を発症する可能性が高いということです。
そういった症状を発症すれば、治療のお金もかかるし生活の質も下がります。悪化すれば仕事ができないかもしれません。振動による健康への影響も、車を購入する際は考慮に入れて欲しい項目です。
車を購入するときは、このように、「長く乗り続けられるか」「健康に対する影響はあるか」という点も考慮に入れないといけないのです。
このように、車体価格だけでなく、長期的な視野を持たないと、結果的に割高な買い物をする可能性があります。
逆に、これらの点を考慮すれば軽自動車以外にも選択肢が広がる場合があります。つまり、仮に10年間乗りつづけた時のコストが同じであれば、よりグレードの高い車に乗った方が賢い選択だというわけです。
グレードの高い車は、当然車体価格が上がります。しかし、耐用年数や健康面などを総合的に考えれば、10年後のコストについては、下がる可能性があるのです。
そこで、「車体価格を低めに抑えて、長期間乗り続けることを重視してコンセプトセザインされた普通車」を新たに弊社の技術チームが新開発したことをお知らせしたいのです。
この車は…
長いけどこんな感じですね。
相手の「コスト重視!」という価値観は変えずに、売り込んでいることがわかると思います。この価値観は変えずに、同調して売り込むことを意識すれば、「いかにも売り込みな感じ」というセールスから卒業することができます。
精緻化見込みモデルで商品の正しい売り込み方がわかる
今回は現代広告の心理技術101中に紹介されている、中心経路と周辺経路について解説させていただきました。
ものすごくざっくりと説明すると、人間はものを買うときに中心経路を通って決断する場合と、周辺経路を通って決断する場合があり、中心経路は論理的、周辺経路は感覚的ということですね。
ものによってこのバランスは異なるので、どちらを狙って売り込むかを決めることが出発点になります。
あなたの商品はどちらの経路が適しているでしょうか?ものを売り込む際にはこの中心経路と周辺経路を意識してください。
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