伝える努力ではなく、「伝わる努力」をしていますか?
「正確にコミュニケーションをして、相手に正しく行動してもらう」というのは、大きく生産性に影響します。
スタッフが指示を勘違いすれば、それをフォローする必要が生じますし、お客様が間違った行動をすればそのカバーをしないといけません。
コミュニケーションをミスればミスるほど、どんどん生産性は下がっていきます。
では、どうやったら正確なコミュニケーションができるのでしょうか?
今回はあなたにそのコツをお話ししていきます。
伝わる努力をしていないスタッフの話
よくスタッフが、「お客様がちゃんと思うような行動をしてくれない」と愚痴ることがあります。
例えばこないだ、「質問のメールに返信してほしいのだが、ちゃんと質問に返信してくれない。ちゃんとメールを読んでくれていない人ばっかりで困る」という愚痴を言っていました。
それで「どれどれ」とメールの文をみてみると、
「こりゃ仕方ねぇやな」
と瞬間で思いました。
何が問題だったかというと、
3つの問題
- 返信を促すのが1回だけ
- 返信を促しているのが文の真ん中
- 理由がない
主にこの3点の問題がありました。
さて、これがなんで問題なんでしょう?
返信を促すのが1回だけ
コピーライティングの鉄則のひとつに、「大事なことは言葉を変えて何回も言う」というものがあります。
人は基本的に話を聞いてないし、文章を流し読みしています。
だから、大事なことを1回しか言わない、書かないというのは、もはや「進んで自爆しに行っている」に等しい行為です。
してほしいことがあるなら、何回も繰り返して言う(書く)べきです。
返信を促しているのが文の真ん中
さっきの話に通じますが、人は集中して人の話を聞いていませんし、文章も読んでいません。
ただし、人の心理は一番最初の方か、最後の方の話は割と記憶に残りやすいという特徴があります。
これを心理学で「初頭効果」「新近効果」と言います。
- 初頭効果:出会い頭が記憶に残りやすい
- 新近効果:最後が記憶に残りやすい
こういった心理的な特徴があるので、コピーライティングでは、「ヘッドコピーで最大のベネフィットを強調する」「最後に重要なことを繰り返す」というテクニックがあります。
これと同じことで、「メールをはじめとする文章で何か行動を促す場合は、最初と最後にそれを書く方がそもそも伝わりやすい」ということになります。
逆に、文の真ん中に書いておいても、あとから読んだ情報に記憶が上書きされて、メールを読む頃には忘れています。
理由がない
『影響力の武器』という本で紹介されている、ある実験があります。
- A:急いでいるので先にコピー機を使わせてください(理由あり)
- B:コピー機を使わせてください(理由なし)
この二つの質問をすると、「理由が付いているAの方が圧倒的にコピー機を先に使わせてもらえる可能性が高い」という結果が得られました。
この実験から分かる通り、理由をつけた方が人は言うことを聞いてくれやすいんです。
この点を考えると、「〇〇してください」とメールに書くよりは「〇〇なので〇〇してください」と書いた方がいいということになります。
コピーライティングでも当然重要で、何かを言うときは必ず理由を説明します。
「なぜ?」とクエッションマークが付いたままだと、コミュニケーションの質が落ちるからです。情報が入らなくなるんですね。
相手の立場になって考えているか
ここまで読んで、「当然のことじゃないか」と思った方もいるかもしれません。
そうです、当然のことなんです、ある意味。コピーライティングの話を持ち出すまでもなく。
ただ、意外とこの当然のことができていない人がめっちゃ多いです。
なんででしょう?
それは、「相手のせいにして思考停止している」からです。
さっきのスタッフのメールの例で言えば、彼には「メールの書き方に問題がある」という発想がそもそもないわけです。
お客のせいにして嘆いているだけなんですね。
これだといつまでたっても問題は解決しません。
相手の立場になって考えて、「そもそもこちらに問題はなかったか?仕組みに問題はないか?」と考えることが、コミュニケーションの改善には重要です。
「相手の立場になって考える」というのは、生産性向上において重要なステップなんです。
まとめ
今回は、生産性向上のために、特にメールにおいて他人との正確なコミュニケーションを取るための方法についてお話しました。
- 相手に正確に「伝わる」かどうかは生産性に直結する
- コミュニケーションの問題を他人のせいにしない
- 相手の立場にたって考えられれば解決策は見えてくる
ビジネスは人と人とのコミュニケーションの上に成り立っているので、ミスコミュニケーションは、ビジネスに悪影響をもたらします。
コピーライティングの観点からコミュニケーションの改善の方法をお話ししたので、参考にしてみてください。